【評価・本音レビュー】ポケットモンスター スカーレット/バイオレット 全てを一新させた意欲作 成功か?失敗か?

ゲーム

全世界待望ポケモン本編初のオープンワールド作品ポケットモンスターSV。

誰もが夢見たであろうポケモンのオープンワールド作品ということもあり、
初発表時から世界中で期待されていた…

しかし発売され蓋を開けてみると国内外問わず賛否両論の嵐に見舞われている。
自分も発売日に購入しクリアまでプレイしたが、それも納得。

良いところもあるが問題点も多い作品だと感じた。

本作はレジェンドアルセウスやワイルドエリアなど外伝や一部のエリアではすでに実装されていたポケモンのオープンワールドが本編まるごと一本オープンワールドになっている。

ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのように従来のゲームシステムを一新させたこの意欲作は果たして成功だったのか?

それとも…?

今回はプレイして感じたありのままの感想を伝えたいと思う。

クリア時間、ボリュームは?

本作は三つのルートを自由に攻略してそれら全てをクリアしたのちに発生する新たなルートをクリアすれば全クリとなる。

マップを隅々まで探索したりなどはせずに普通にクリアを目指したプレイでクリア時間は20時間ほどだった。
感覚としてはいつものポケモンのボリュームといった感じ。
本作はCPUのトレーナーとの対戦がプレイヤーの好きなタイミングでできるようになったため、スルーすればその分短くなる。
なので従来の作品よりはプレイ時間の差が出やすい。

そしてクリア後のボリュームだがやることとしては一部のイベントとレイドバトルくらいかな?
正直クリアすると対人戦をしない人はすることがない…
しかし厳選などする人にとっては豊富な種類のポケモンが登場するのでやることは無限大だろう。

遊び方によっていくらでも遊べるのはポケモンの大きな魅力だ。
本作でもそれは変わらなかった。

全世界待望”ポケモンのオープンワールド”

一部シームレスなマップとしてワイルドエリアや外伝でのオープンワールドなどはあったが
本作は街、マップほぼ全てがシームレスにつながっている本編初のオープンワールドになっている。

良かった点を挙げろと言われれば真っ先に言うのがまさしくコレ

ゲームをプレイして真っ先に感動したことはマップで自由に視点変更ができるということだ。
ポケモンは「固定視点」という先入観がいまだにあり視点変更できただけで感動してしまう…

これはまさしくオープンワールドになった影響によるもので最初の町で365度自由に視点変更ができるだけで衝撃を与えられるゲームは世界中探してもこのポケモンだけだろう。

本作は過去作のようにストーリーに沿って一本道を進むゲームではない。
シームレスに広がるマップで過去作でいう街や道、ポケモンセンターなどが全てロードを挟まずシームレスに移動することができる。

ただしその代償としてポケモンセンターやフレンドリィショップは野外に不自然に放り出されてしまっている。(まあいちいち建物に入るのも面倒なのでこれはこれで良かったが…)

さらに洞窟的な場所は存在するがダンジョンはなくなってしまったといっていいだろう。

個人的に不安視していたマップだが前作のワイルドエリアと比較するとかなり作り込まれていた。
まさしく外伝のレジェンドアルセウスを本編に落とし込んだような作りになっている。
しかしながら予想通りラグ等もご愛嬌。
正直いって操作中にグラフィックがぬるぬると動いた時間は1秒たりともなかった。
なんか操作しててもっさりしてるし近くのCPUは5FPSくらいなんじゃないかと思うほどのカクカク歩きを披露してくれる。

マップの構造は非常に良かったが探索してもサブクエストや欲しくなるようなアイテムなどが落ちているわけではないし、点在するCPUの会話も全く面白くないので探索する気はほとんど起きず、結局マーカー辿るゲーになってしまった感は否めない。

本作は最初のチュートリアルを終えると自由にどこまでも広がるあまり美しくない世界を探索することができる。
俺は前情報をほとんど入れてなかったので自分の好きな場所に好きなタイミングで行けることがわかった時はとにかくテンションが上がった。
ジムリーダーの攻略順が自由なのか!」と。
最初はちょっと道をそれると強いトレーナーに遭遇してしまいあっさりゲームオーバーになったりと、当たり前だが一本道より冒険してる感がより味わえて楽しかった。

しかしその興奮を味わえるのも束の間だった…
なぜなら自分が勝手に誤解したのが悪いが自由に攻略できると思ったのにまさかのレベル固定制だったのだ。
8個のジム、5個のスター団アジト、6匹のヌシポケモンを建前上は一応自由に攻略できる…
しかし攻略した順番によってレベルが可変式に変化するわけではなく固定されているのでほとんど強制されているのと変わらない。
これがアクションゲームなら強行突破など可能かもしれないがステータスが全てのコマンドRPGでは無理がある。
なのでプレイする順番などユーザー間の差はほとんどないと思われる。
期待してしまった分、正直残念だった。

とはいえポケモン本編初のオープンワールドは興奮したし従来のポケモンにはない良さも当然あった。

次も今作のようにオープンワールドにして欲しいと素直に思えるしポケモンの新たな可能性を見れたので次回作が今から楽しみだ。

物語を彩る魅力的なサブキャラクター

RPGに置いてキャラクターの魅力は重要な要素である。
プレイヤーの分身となる主人公が喋らない分、ポケモンはよりそれが求められる。

本作はルート三本ありそれぞれにストーリーがあるがどれも正直なところ薄味…
まあストーリーに関しては主人公のモブ具合などならポケモンGOを彷彿としてしまい、全く期待していなかったので問題はない。
だけどそれに反してキャラクターの魅力は抜群だった。

チャンピオンルートで出会うジムリーダー達はどれも一瞬しか登場しないものの強烈なインパクトを与えられた。
レジェンドルートのペパーは初登場時、キャラデザ微妙だしポケモンを邪険に扱う嫌なヤツという最悪の印象だったがプレイしていくうちに内面やモーション、専用BGMなどがよく一番好きなキャラクターになった。
スターダストルートで登場するスター団はポケモン初の完全悪ではない集団として描かれていて印象に残った。

時代の流れに即し、何人かポリコレ感の強いキャラクターも登場する。
ビジュアル男なのに性別は女のキャラ、ビジュアル女なのに性別は男のキャラ、黒人のおばさんなど。
とはいえブスキャラにされているわけではないので個人的には全然問題なし。

正直ストーリーは大味で評価できるようなものでもなかったが、ポケモンで濃密なガチガチに固められたストーリーを展開されてもうざいだけだと思うので個人的にはこれが正解だと思っている。

ただしストーリーが弱い分、キャラクターのビジュアル、モーション、セリフ等の完成度は高い。
テキストを読み進めるのが苦痛ではないしむしろ楽しかった。
ポケモンをポケモンたらしめるのはモンスターだけではなくサブキャラの魅力もあってこそなんだなと改めて感じ

結局、買いなのか?(まとめ)

オープンワールドとしての出来はよろしくないし、ラグすぎるし、グラフィックもひどい今作。

しかし不思議なものでポケモンとしては本当にたのしかった。
これは遊んだ人全員そういう風に言うと思う。

正直ポケモンだから許されていることも多い。
他の大手メーカーからこのクオリティのものが発売されると炎上必至だろう。
悪いところはたくさんあったがそれを凌駕するほどのポケモンというジャンルの魅力が高い。

従来のポケモンでは味わうことのできなかった新たな楽しさを実感できたこの意欲作は個人的には成功と言い切れる。

ただしこれはあくまでもポケモンが好きな人にとっての評価でポケモンに関心がない人がわかりやすい欠点だらけの本作を遊べば「酷い作品だ。」と酷評するだろう。

なのでポケモンが好きならば間違いなく買い。
そうじゃないなら数百円の名作インディーを遊んだ方が遥かに楽しめるだろう。

遊ぶ人によって神ゲーにもクソゲーにもなり得る今作は到底、万人にはお勧めできない。

結果として賛否両論になってしまった本作だが光る部分もたくさんあったので個人的にはこれを踏まえた次回作が今から楽しみで仕方ない。

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