【評価・レビュー】ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク プレイする映画の最高峰

ゲーム

2018年ゲーム・オブ・ザ・イヤーに選ばれた「God of War」
待望の続編がついに発売された。

本作はサンタモニカスタジオ開発でジャンルはアクションゲーム
前作は全世界に衝撃を与え、超人気作品だったが今作はどうか?
期待と不安に包まれながら発売日にプレイした。

遊んだ感想としては予想通りのクオリティ、予想通りの面白さだった。

これは決して悪い意味で言っているのではない。

日本人的には馴染みがほとんどないゴッドオブウォーシリーズ
前作プレイした方も少なそうですが、今作も残念ながらそうなりそうなので声を大にして言いたい。

騙されたと思って買え。」と。

クリア時間は?ボリュームは?

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ストーリーを追うだけなら25時間ほどでクリアできると思う。
しかし全く寄り道をしないプレイというのは現実的ではないですよね。

程々に遊ぶと40時間ほどが一般的な目安になってると思う。
もちろんトロコンするくらいやり込んだならそれ以上だしRTAをしたならそれ以下になるが。

本作は俗にいうオープンワールドゲームではない。
リニア式のゲームに寄り道要素を加えたようなゲームデザインになっている。
なので、自由度や圧倒的なボリュームを売りにするオープンワールドゲームと比較するとボリューム面では正直言って劣る。

しかし本作はリニア式のゲームデザインで映画のように絶え間なく物語が展開されていくジャンルなので比較するのは野暮である。

実際プレイした感想としてもボリューム不足感などは全くない。

密度の濃いメインクエストを遊びつつ時折、多数のオリジナリティあふれるサブクエストや収集要素に寄り道する。

胃もたれしない程度の非常にバランスのあるボリューム感になっている。
よってボリューム不足などを気にする必要はないのでご安心を。

遊んですぐの印象は?

本作をプレイすると真っ先に衝撃を受けるのが圧倒的なほど美しいグラフィック

本作はPS5とPS4で発売されていて自分はPS4版でプレイしたが俗にいう劣化版などという印象は微塵もなかった。
雪の世界からゲームがスタートするのだがプレイしているとこっちまで寒くなってしまうほどのリアリティだ。

同様に圧倒的グラフィックで雪山からスタートするゲームで「レッド・デッド・リデンプション2」がある。
これと比較しても勝るとも劣らない。

現代で我々が体験できる最上級クラスのグラフィックと言っても過言ではない

そしてもう一つ、プレイし始めて約30分くらいでボス戦が始まるのだがそこでもこのゲームの凄さを我々に体感させてくれる。

ギミック的要素がありつつも正統に真っ向勝負のバトル。
そして時折挟まるムービーは映画的手法で大迫力かつ緊張感もある。

つい最近遊んだベヨネッタ3もそうだったが序盤からラストバトルのような展開でプレイしてまもないにもかかわらず夢中になってしまった。

この時点で悪いと思うところもなく最高の序盤だと感じた。

早く続きが遊びたくて仕方なかった。

どんなところが面白いの?

本作の魅力はストーリー、②バトル、③マップデザインです

①ストーリーの面白さって種類があると思ってます。

1、展開が面白いストーリー
2、設定、世界観が面白いストーリー
3、キャラの魅力や変化が面白いストーリー


大まかに分けるとこんな感じだと思う。

本作はこれらのうち1的な面白さはそんなにない。
主に2と3の二つ。

本作は前作「God of War」の続きのお話になっています。
舞台は北欧神話モチーフ。
細かく説明するとネタバレになってしまうので控えます。

大まかに説明すると他の世界からやってきた主人公クレイトスとその息子アトレウスが北欧神話の神々との戦いに巻き込まれる、もしくは首を突っ込むといった感じのストーリー。

北欧神話がモチーフなだけあって登場するキャラクターも日本人でも聞き覚えがある名前がいっぱい出てくる。
ロキ、フレイヤ、ミーミル、ヨルムンガンド、ヴァルキュリア、トール、オーディンなどなど創作作品で登場しがちな名前が多い。

これらのキャラはよくあるデフォルメされた姿ではなく人間的なビジュアルで登場し、リアリティがありつつも威厳も感じる良デザインになっている。

なので世界観にも重みが出てびっくりするような展開などがなくてもストーリーが面白く感じる。

そして本作は前作「God of War」から同様、親子の物語です。
旧God of Warで神に人生を狂わされたクレイトスと自分の出自を知りたいアトレウス。
クレイトスは神や終末の日ラグナロクから距離を取ろうするが、アトレウスはラグナロクに立ち向かう
べく真実を求める。

この二人の感情やその変化が美麗なグラフィックを通して鮮明に伝わってくる。

そして敵であるオーディンにも子が存在し、関係性の面で対比構造になっているのがまた面白い。
衝撃的な展開がなくとも感情揺さぶるストーリーになっている。


②本作はアクションゲームなのでバトルの面白さは重要になってくる。

しかし大丈夫。
前作同様、重厚感がありつつも爽快感もあり、手応えのあるバトルは健在。

パリィや回避でダメージを回避しつつ、近距離遠距離攻撃のできる氷の斧と広範囲攻撃ができる炎の双剣を使い分けて攻撃を与える。
これらの武器は十字キーで瞬時に切り替えられ、斧で凍らせた後に双剣で燃やすとダメージアップするなど戦略的な使い分けが可能。

本作から登場した新たな攻撃手段も個性あふれるもので棲み分けできており、非常に好印象だった。

そしてこれらはただ単調に攻撃していくだけではなく各々にスキルがあり、それらはどれも迫力がありつつも強力な攻撃手段だ。

スキルツリーで解放していくことによって徐々に新たなスキルやコンボが増えていくのでバトルに飽きが来ないようになっている。

そして装備によるアビリティの変化などカスタマイズ性があり、バトルの面白さに直結している。

そして本作ではクレイトスだけではなく、
アトレウスもプレイアブルキャラクターとして操作する場面が存在する。

アトレウスは弓でクレイトスを支援するイメージが大きかったので自分が操作するとなると難しそうな印象をもつかもしれないが全くもってそんなことはなかった。

弓の遠距離攻撃がメインで敵に近寄られるのを苦手とするキャラになるかと思いきや、近接もなぜかしっかり強い。
回避しながらの弓打ちや豪快に弓で敵を叩きつける姿は、
むしろクレイトスより爽快感を感じることができ、楽しかった。

このように全体的に前作よりやはりアクションの幅は広がっている。

しかしその分、難易度はやや上がった印象。(中間難易度のバランスで遊んだ感想)

しかしゲームオーバーになっても直前からリトライが可能で、
難易度も5段階用意されていて最高難易度をのぞきいつでも変更できるので
どんな人でも割と楽しめるようになっていると思う。


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③そして本作の魅力を語る上で忘れてはいけないのがマップデザインの秀逸さ。

オープンワールドゲームのように広大なフィールドではなく、
行ける範囲が限られているにも関わらずグラフィック、ロケーションで雄大さを十二分に感じさせてくれる。

そして本作はただ単に敵を倒し、マップを進んでいくゲームデザインではない。
道中を進んでいく上で様々な謎解き要素をクリアしていく必要がある。

立ち塞がる間欠泉を凍らせて通り道を作ったり、邪魔な荊を炎で燃やしたりと簡単なものからギミックの動きを理解しなければ進めないといった少し頭を捻らせる必要のある謎解きも存在する。
謎を解いた先にはアイテムなどご褒美も用意されているので達成感もあり、
マップを攻略していく感覚はゼルダの伝説に近しく非常に楽しい。

そしてこの”謎解き”と聞くと詰んでしまうんじゃないか、と心配になる人もいるかと思うが、本作に関していば進み方がわからなくなることはほとんどないだろう。
それは時間が経つと同行しているアトレウスやミーミルなどが的確な助言をくれるからだ。

俺も進み方がわからず右往左往したマップがあったが「この上を見て」などほぼ正解のような助言のおかげで攻略サイトに頼らずとも進むことができた。

やり込み要素であるノルンの宝箱などは自力で見つける必要があるがメインストーリーに関しては親切な設計になっていると感じた。

そして本作のマップは一本道ではなく適度に散りばめられたサブ要素が存在する。
これが楽しくついつい寄り道をしてしまう。

寄り道要素は多すぎると作業のように感じて楽しくなくなるし、少なすぎてもつまらない。
本作はメインの道筋はマーカーで進む方向がわかるのだが反対方向に気になる道や建物を見せつけてくる。

そしてゲーマー心理的にまんまとそっちに行ってしまう。
非常に優れたマップデザインであると言える。

このゲームの凄いところ

このシリーズ通してのことだが、リトライをのぞいてロードが一切ないことだ。
建物に入ったとき、違う世界にワープした時など本来あるはずのロードを見せないような工夫がこされていてゲームへの没入感を高めている。

そしてもう一つ、ゲームプレイ中に織り成されるキャラクター同士の会話にも凄さを感じた。
それは合間合間の会話の量が完璧に計算されている点だ。

こう言った経験はないだろうか?
ゲームプレイ中にキャラの会話を聞いていると、途中でいきなりその会話がぶつ切りされ他の会話が始まる…
だから次の会話が始まらないようにあえて歩みを止めてじっとか会話が終わるのを待つ…

俺は正直数え切れないほどある。
煩しすぎる洋ゲーあるあるだ。
しかし本作ではそのようなことがほとんどなかった。

その場面にあった会話を適量に提供してくれる。
だから会話待ちなどという訳のわからない時間が発生せずにゲームに没頭することができた。
個人的にどうでもいいようなことで重要なことだと思う。

あとはローカライズのクオリティが相変わらず高い。
洋ゲーでありがちな不自然な日本語はなく全く違和感なく遊べた。
ありがとう、ソニースタジオ。

ダメだったところは?

終盤のストーリー展開がやや駆け足な点。
というのも新しく展開された「God of War」シリーズは元々3分作の予定で開発がスタートしたがそれを途中で2分作として完成させた影響でこうなったのかなと思う。
とは言えストーリーが破綻しているわけでもないので気にならないと言えば気にならない。
前作が丁寧すぎるほど大きな物語の序盤を描いた作品だったが故、そう感じるのだと思う。

一部の謎解き要素の難易度が高い点。
メインストーリーを楽しむだけなら問題ないが、寄り道したときにいくつか見受けられた。
別にやらなければいいだけの話だが、俺は一度手をつけてしまったクエストなどは片付けたくなってしまうタチで必要以上に時間を取られてしまうこともしばしば。
もう少しわかりやすくしていただいて快適に遊べるようにしてください。

そしてこれはダメというか注意点だがストーリーが続き物ということ。
正直、前作を遊んでいないと置いてけぼりを喰らうのが目に見える。
ストーリーは別にどうでもいいという人ではない限り、
どこまで行こうと前作をプレイした人向けのゲームなのでそこは注意していただきたい。

どんな人におすすめ?正直買い?

まず
”アクションゲームが好き”
”高難易度なゲームが好き”
”映画のようなゲームが好き”
”お金がかかったAAAタイトルが好き”
”そもそも前作が好き”


↑これらに当てはまる人は間違いなく楽しめると思う。

逆に
”アクションゲームが苦手”
”リアルなグラフィックのゲームが嫌い”
”洋ゲーアレルギー”
”そもそも前作が嫌い”


↑これらに当てはまる人は買わないほうが良い。

俺的には正直買いとしか言えない。
はっきり言ってここまでリッチかつクオリティの高い作品を買わない選択肢がない。

そしてもし前作を遊んでいなくて本作が気になった人はこれじゃなくてまず前作を買おう。

個人的総評(まとめ)

美しいグラフィックとロケーションで展開されるクレイトスとアトレウスの物語は
これぞゲームでしか味わえないと言い切れる極上の体験だ。

バトル、探索、サブクエスト。
これらは一見バラバラなものだが、全てが組み合わさってこの「God of War RAGNAROK」を完成させていて一つの作品として非常に美しい。

2018年からスタートした新God of Warだがここで終わってしまうのは寂しくもあるがサンタモニカスタジオの次回作が早く遊びたくて仕方ない。

それほどまでに熱中させられた作品なのでゲームが好きな人はもちろん、そうじゃない人にもぜひ遊んで欲しい一本になっている。

個人的評価

ゲームシステム10/10
世界観(ストーリー)10/10
音楽7/10
斬新さ8/10
ボリューム10/10
合計45/50

0~10 クソゲー
11~20 微妙
21~30 凡作
31~40 良作
41~45 名作
46~50 神ゲー

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